2006年5月17日

進む法科大学院入試の二極化

01:03 PM / カテゴリー: 法律のNews・話題 / コメント…(0件)

既にご存知の方も少なくないと思うが、こんな記事があった。
法科大学院:全74校中33校で定員割れ 今年度入試で-毎日新聞

ちなみに、参考資料はこちら(LSNで掲載済み)。

この記事の書き方だと「定員割れをした大学が33校あって、欠員は31名」というから「?」と思うが、実際には定員以上受け入れた大学も相当数あるので、全ての大学の定員に対して実際入学した人数をとった結果このような数字になったというのがどうやら本当のところのようである。

思うところはいろいろとあるが、まずここで言っている「定員割れ」の定義をしっかり確認しないといけない。
手前味噌で申し訳ないが、この表を見ていただくとわかるように、今年、募集人員に対して出願者数が割り込んだという大学は一つもない。

結局、追加合格を重ねれば定員を確保することはできるが、種々の理由から追加合格、あるいは補欠からの合格を出さなかった、というのが殆ど全部と思われる(そうではないところも、もしかしたらあるかもしれない)。なので、「学生の質を維持するために合格者を絞り込んだためではないか」という文科省のコメントが出てくるのだろう。

しかしながら、今年は平成17年度とは異なった気になる傾向が出始めている。
それは、学校間格差が顕著に現われた、ということで、先ほどの参考資料を見てもわかるとおり、端的に言えば国公立大学、或いは、私立大学でも(学部レベルで)有名なところが倍率を伸ばしている一方、あまり実績がない新興勢力の大学については、初年度は驚異的な倍率を出したところでも前年度に比して倍率が減少しているというところが多く見られる。

まだ新司法試験の結果も出ていないのにこのような傾向が出るというのは、予想できなくはなかったが、個人的には残念な気もする。
もっとも、ロースクール出願の際の指標としての新司法試験の結果がまだ出ていない段階では、このぐらいしか判断材料がないということもある。
新司法試験の結果が出れば、多少は倍率にも変動が出てこよう。しかし、1年目の実績で判断するのはまだ危険であると考える。というのも、1期の既修生というのは、大学に入る前に相当程度の法律知識があった人たちなのであり、新司法試験の形式がどうなるかは不明だが、少なくともプレテストの感じで行くとするならば、法律知識を問う以上は入学前の実力が少なからず影響するので、ロースクールの実力を正しく反映しているとは思えない。なので、2年目以降の新司法試験の合格者実績がモノを言うのではないかと考えている(もっとも、2年目以降も既修入学者がいるわけで、その意味ではそれを100%信用するわけにもいかないだろう)。

この新司法試験の結果が、従来の司法試験の大学別合格者数のような分布になるのかどうかというところがカギになる。
しかし、少なくとも私はそうなるとは考えていない。これは、また時間があったら、書こうと考えている。

とにかく受験生の皆様は、大学の名前にとらわれず、そこでどういう教育がなされているのかということを、パンフレットは勿論、実際に見学に行ったり、機会があれば在校生に話を聞くなどして、慎重にロースクール選びをしていただきたい。

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